美容師はお金の計算と保険の話が苦手です。
少なくとも私と私と一緒に働いた人たちは…(笑)
理由としては「技術のことしか考えていないから。職人だから」
という一言で片付けてしまいたいところではありますが…^^;
いい大人としてそうは言ってられない。
ってことで今回は厚生年金について書いていこうと思います。
厚生年金とは
国民年金に上乗せする年金制度のことです。
出典:http://www.be-sion.com/social-insurance#i-3
上乗せと言っても、厚生年金には国民年金もひっくるめられているので、国民年金&厚生年金の両方を払うわけではないです。
対象は誰?
雇われている美容師さんであれば、条件に当てはまる人。
完全フリーランスであれば厚生年金は関係ないです。(厚生年金の代わりになるものはあるのでまた別記事で書きます)
昔は、加入しているサロンが今ほど多くなかったのですが…どんどん規制が厳しくなっていて、美容室でも条件により厚生年金を払う対象になっています。
サロンが法人の場合
加入は義務ではあるが、罰則がないために、入っていないサロンもまだまだある。
サロンが個人の場合
従業員が5人未満であれば任意。常時5人以上いる場合には、強制加入。(ただし、美容院や飲食店などのサービス業は対象外)
従業員数が4人以下の場合でも、従業員の2分の1以上が加入に同意する場合には申請をすることで任意加入を行えます。
出典:http://hba.beauty.hotpepper.jp/check/4593/
パートやバイトの場合は?
「バイトだから入れない」と言う知識のない人も多いのですが…実際には条件により加入できます。
その条件とは、
正社員であるスタッフの1週間の労働時間の、3/4以上の労働時間があることです。
例:正社員が1週間で40時間働いている場合は、パートスタッフは30時間以上勤務すればサロンで「厚生年金保険」に加入しなければいけない
条件に満たない場合は、自分で国民年金に加入。ただし夫の扶養になっていて「厚生年金保険」も扶養扱いになっている場合は別。
厚生年金保険料はいくら?
事業主と従業員が折半で負担です。
保険料は、毎年国で料率が定められ、給与によって異なります。
例*平成27年(2015年9月~2016年8月)の料率17.828%の場合(料率は年度によって異なる)。
例:月収が30万円のスタッフの場合
月々の保険料:約5万3,484円
負担の内訳:事業主2万6,742円、従業員2万6,742円
*賞与にも別途かかります。
厚生年金未加入のサロンが多い理由
加入率は20%とも言われている美容室の厚生年金。
私が務めてきたサロンでも未加入率が高かったです。
だからこそ美容師は、保険のことをよくわからない人が多いんだろうなぁと思いました。私も含め。
ではなぜ未加入のサロンが多いのか、調べてみると、以下の3つの理由が考えられました。
1、売上が低いから
社会保険完備には従業員1人当たり平均60〜70万円の売上が必要らしいです。
全国の美容室の1カ月の平均売上は40〜50万円くらい。
従ってほとんどのサロンが社保完備になれない。
聞いた話では大手安売りチェーン1人当たりの売上は平均45万円とか。
これでは社会保険の支払いは無理です。引用元:http://be-core.net/useful/contents/kiku/013/
2,離職率が高いから
離職率が高いのは誰もがわかる現実だと思います。
定着率は平均1,8年だそうです。
すぐ辞めてしまうかもしれない社員のためにお店が負担するのはなかなか難しいと言われています。
3,美容師が将来のお金のことまで考えられないから
美容師の給料が低いのも有名な話。
そこから生活することを考えると、将来のための備えより、現在の生活費に回したいと思うのです。
むごいのは「どうしても、社保を引くなら、他のサロンへ勤めます」なんて言われたら、「個人契約をしても売上のパーセントに応じて国民年金と国民健康保険は自分で払ってよ」ということになりそうです。
厚生年金未加入は仕方がないのか
前途の理由や、値下げ競争を見ていると、厚生年金未加入サロンは仕方がない話のようにもきこえますが…実際の所、国が社会保険加入の取締を強化してきています。
出典:http://remon.xn--u9jwcwdulia6bt1d0281m.asia/entry/2017/10/11/220659
こちらのブログにも書かれています⬇
もし調査によって社会保険未加入が発覚し、強制加入の状況になった場合、過去2年さかのぼって社会保険を徴収されることになるかもしれないので、徐々に加入するサロンは増えていくのではないかと思います。
とはいえ、基本的に売上がそのままで、取締が強化されてしまうと…サロンオーナーが一番痛い目に合うことは目に見えていますよね…。
そのためには安売りサロンに押されているばかりでなく、美容師のレベルを上げて売上を上げていくしかないのです。。
長期的に美容業界を変えていかなければ無理ゲーな話。
まとめ
厚生年金とは、国民年金に上乗せされる保険料のこと。
美容室が法人の場合は強制加入だが、罰則がないので未加入サロンも多い。
美容室が個人経営の場合は、条件によって任意で加入。
保険料は雇用主と従業員が折半で支払い、給料により異なる。
厚生年金未加入のサロンは多いが、これから取締が厳しくなるので、オーナーが大変になる。
きちんと一人ひとりの美容師さんが技術力人間力をあげ、価値を見出し、値上げしてもお客様に選んで頂けるようになる事が、美容師の給料を上げる唯一の方法ではないかと…偉そうに語ってみました。
美容師が美容師自身できとんと素晴らしい美容業界を作り上げていきたいですね。
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